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ヤマセミの足の裏

 ヤマセミの足は合趾足(ごうしそく)と言って足の指がくっついて、岩や樹木の枝に留まる機能と巣穴を掘る際に掘った土を巣外に掃出す程度の機能に対応しているものとみられる。水中での泳ぎなどに効果があるか否かはヤマセミに訊いてみないとよく判らないが、少なくとも撮影された一般的な水浴びや交尾直後のお浄めでの泳ぎでは主翼によるコントロール効果の方を強く感ずる。
 別の見方をすれば、他の野鳥より形状的には人間の足に近いのではないかと思うほどのユーモラスな足だ。しかし土踏まずが全然ないので、長距離の歩きには向かないだろう。風の強い日に前後に大きく揺れる架線上でバランスを取るのに苦労して、とうとう風が来ない岩陰に退避してしまったヤマセミを知っている。しっかりと架線をホールドしにくい足の構造なので仕方が無かったのだろう、ひょっとして高所恐怖症だったりして。