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 北海道は国内でも固有種の野鳥が沢山いる事で前から気になっている。同時に地図で見てもよく判るとおりロシアのシベリアに非常に近い環境にあるため、旅鳥、渡り鳥がそのままそこに居付いて繁殖を始めるケースも有るようで目が離せないエリアだと言える。特に霧多布湿原は目の上をオオジシギがディスプレーをしまくる、あるいはオジロワシの幼鳥が悠然と飛ぶ、湿原には相当数のノビタキが囀る5月頃が一つの好時期だろうか。
 札幌市内の円山原始林、千歳市の青葉公園も種類が多い最高の探鳥地だと思うが、最近ヒグマが街に降りてきているので行く前には良く事前調査といざという時の覚悟が必要かもしれない。特に千歳川流域は野鳥も濃いがヒグマの出没回数も多いとの事、気をつけたい。


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 日光及び奥日光戦場ヶ原は常に見る事が出来る野鳥の種類の多さでは国内でも有数のエリアだと思う。これと似たような尾瀬にはあまり野鳥の姿が見えないのはなぜだろう?入山数を比較すると尾瀬は戦場ヶ原の1/10も人間が入っていない。環境保護の為色々な規制が有る上車で入れない事が人里とは異なる山奥のままの為野鳥自体も警戒心が強いままなのだろうと思われる。
 日光市内の東大日光植物園は開館時間が午前9時という事で、野鳥観察に最適の早朝に入れないのが非常に残念だが、季節の移り変わりとともに植物園内の木の実を狙う草食系の野鳥や、花の蜜を狙う昆虫類を捕食する肉食系の野鳥が数多く飛来する。天候の具合で戦場ヶ原が厳しい時には東大植物園で充分野鳥観察が出来よう。
 此処のお勧めは5月初めのオオルリ、キビタキ、サンショウクイなど。オオルリとキビタキの絡み合いなど1フレームに同時に撮影可能な珍しい場所でもある。


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 八ヶ岳を中心にした蓼科高原、霧ケ峰エリアは高原・草原の野鳥の宝庫。山麓の森林地帯も有るが圧倒的に高原の野鳥の存在が大きい。国内でも晴天日数が非常に多いエリアなので撮影には好条件がそろっている。車の便が良いのも好都合だが、冬季は車の運転・装備に自信が無い場合は避けた方が賢明。路肩から下へ戦車のような4WDの高そうな車が何台も転がっているのをよく見るが殆ど東京ナンバーだ。4WDへの過信、スタッドレスタイヤへの過信が招く事故だ。


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 東京・武蔵野・三鷹エリアには野川に沿った国分寺ハケという河岸段丘沿いに数多くの緑地帯や大学キャンパス、国立天文台などが存在し、大都市に隣接しているにもかかわらず野鳥の宝庫となっている。大きな大学のキャンパスにはオオタカも営巣するほど。野川のカワセミに至っては土日の散歩、あるいは毎日のジョギングの人々に囲まれてカメラに対してポーズをとるほどの人気者になっている。この野川にはカモ類も多く毎年カルガモの家族が子育てを行い年々その数が増えているようだ。2006年にはタシギも撮影されている。
 サンダル履きで犬の散歩がてら500mmズームを下げて行き、アオゲラとアカゲラを1フレームに撮影できたのもこの近所の野川。真冬の雪の中のカワセミなど絵になるシーンも撮影可能だ。